浄土宗の 『数珠』 について
浄土宗では数珠を持つことは壇信徒の心得とされ、日々念仏を申すこと”南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)”を日課としています。
数珠には下記に示すように4種類あります。日頃みなさんの持っている数珠は、日課数珠(または環貫数珠(わぬき))と云う2連の数珠です。
- 《数珠の種類 は?》
荘厳数珠 ... 主に僧侶が各種儀式で用います
日課数珠 ... 日頃用います。
百八数珠 ... 日頃用います。
百万遍数珠 ... 念仏講習や各種法要などで
念仏の回数を多く唱えるときに、
大人数で百万遍数珠を使用します。
浄土宗も以前は他宗と同様に108つの一連の数珠を使用していましたが、お念仏をとなえながら、数珠を繰ると頻繁に数珠のひもが切れるため、法然上人の門人の阿波介(あわのすけ)が、ひもが安まるようにと2連の数珠を考案され、この日課数珠が浄土宗独自の数珠となりました。
- 1.数珠の玉数の意味は?使い方は?
2連数珠のうちの1連は27顆(玉の数)有ります。
もう一方は40(もしくは20)顆あります。
また、2連数珠に小さい飾りの様なものに10玉と6玉それぞれが有ります。この飾りのようなものを記子と云い、玉を平玉と6顆の丸玉と云います。(右図参照)
これらの顆(玉)をお念仏1回に1個づつ繰って一通りのお念仏を申せば
《2連の合計は》25回×40回=1000回
(27回を25回とするのは息継ぎの空回りを考えます)
1000回のお念仏を申して記子の平玉を1個上に上げます。
平玉が全て上へ上がったら
次は丸玉を1つ上げ一通り終わった合計は
《2連の合計と記子の合計は》
25回×40回×10回×6回=60000回
6万回のお念仏が出来るように工夫されているのが、浄土宗の2連数珠です。
- 2.数珠の使い方と持ち方
《数珠の持ち方》
....合掌する時には、
二輪の数珠を両手の親指に掛け、
房を手前(自分の方)に垂らします。
(一番上の写真図参照)
《お念仏を申し、数珠を繰るとき》
....人差し指と中指で数珠をはさんで、
人差し指と親指でもう一方の数珠を挟み、
お念仏1回に1個づつ繰って行きます。
(右図参照)
《普段数珠を繰らないとき》
....数珠は日課念仏を数えるためのものですから、
普段は左手首にはめるます。
《数珠のヒモが切れた場合》
....長い間使っていると数珠の糸が切れてします事があります。
これはそれだけお念仏に励んだ証であり、縁起が悪いことはありません。
玉を集めて仏具屋さんに修理に出すと良いでしょう。
《ご注意してください》
....浄土宗では数珠をかけて、両手をすり合わしたり、鳴らしたりしません。
法然上人も『念仏をば、かせにして舌と手とを動かすなり』と云われているように、念仏を称えることを、疎かにすると数珠を持つ意味が薄れます。自分や家族のため、または、大切な人のためにも、お念仏を続けたいものです。きっと心やすらかに成るでしょう。
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