あとがき    


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 父の思い出を残すことは、わたしの懸案であった。
  父がこの世に生きた証しを、少しでも記録に残したかった。
  こんなことでしか、わたしには父に報いるてだてを持ち合わせていないからである。

 父は今危篤状態である。家族みなが心を痛めながら、父に思いを馳せている。
  いつかは永遠の別れを体験しなければならないことは知っていながら、
  それでも父の延命を祈っている。「親を亡くした子は、過去を失う」からでもある。

 父の元気なときに書いてあった『月かげ抄』に、改めて
  (生きがい)と(消え行く日々の中で)を加えた。
  父の病を克明に書こうとしたが、感情が高ぶるばかりでどうにもならなかった。

 表紙の題字は、長兄(昭教)が揮ごうした。

 文中の短歌は、父の八十の賀に編んだ歌集『流れる』より転載した。

                               (平成五年六月一日)


 
      

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